短期間だけでも、終日自宅以外でケアしてもらいたい。でも、ショートステイって何日から頼めるんだろう?何泊までできる?本人にとっても家族にとっても、負担にならない期間ってどれくらい?
ショートステイの名前は聞いたことがあっても、いざ使うとなると、見当がつかないことばかり。どれくらいの規模で頼んでいいのか、感覚がつかめないと、なかなか一歩が踏み出せません。
でも、ショートステイは家族介護を続けるための仕組みとして、思っているよりも気軽に頼っていいサービスです。「1泊から30日まで」と幅広く使えて、本人と家族の状況に合わせて期間を選べます。
この記事では、ショートステイの基本(どんな期間で頼めるか)から、上手な使い方、罪悪感を持たずに頼るための考え方まで、まとめてお伝えします。
ショートステイとは
ショートステイは、自宅で介護を受けている方が、短期間だけ施設に泊まるサービスです。1泊から最大30日連続まで利用できます。
どれくらいの期間で頼めるか
実際には、1〜3日くらいの短期から始める家族が多いです。
- 1〜2泊:お試しで使ってみる、家族介護者の出張や用事
- 3〜5泊:家族介護者の本格的な休息、冠婚葬祭など
- 7泊以上:家族介護者の入院、長期の不在
- 最大30泊まで:連続で利用できる上限
初めて使うなら、まず1〜2泊から試すのがおすすめです。本人が場所に慣れるかどうか、家族が安心して任せられるかを見ながら、徐々に期間を延ばしていけます。
ショートステイの種類
介護保険が適用されるショートステイには、主に2種類あります。
- 短期入所生活介護(一般型ショートステイ):特別養護老人ホームなどで、食事・入浴・排泄の介助、機能訓練、レクリエーションを受ける
- 短期入所療養介護(医療型ショートステイ):介護老人保健施設や介護医療院などで、医療的ケア(投薬・たんの吸引・リハビリなど)も受けられる
医療的なケアが必要なら療養型、それ以外なら一般型、と分かれます。どちらを選ぶかは、本人の状態に応じてケアマネジャーが相談に乗ってくれます。
費用の目安
費用は介護保険を使うので、所得に応じて1〜3割の自己負担(2026年現在)。これに加えて、食費・滞在費・日用品費は実費負担になります。
要介護度や施設の種類、部屋のタイプ(個室か多床室か)によって変わりますが、目安として1泊あたり数千円〜1万円程度の自己負担になることが多いです。詳細はケアマネさんに確認してください。
ショートステイの上手な使い方
ここからが本題です。ショートステイは、こんな場面で活躍します。
使い方1 家族の休息(レスパイト)として
ショートステイのいちばん多い使い方は、家族介護者の休息です。
毎日の介護は、24時間365日続きます。睡眠不足、慢性的な疲れ、自分の時間が取れない——介護をしている家族の身体と心は、知らないうちに削られていきます。月に1〜2回、本人を数日預けて、家族がしっかり休む。これだけで、続けられる介護が大きく変わります。
「自分が休むためなんて、贅沢じゃないか」と思う方もいるかもしれません。でも、介護をしている家族が倒れたら、結局家族全員が困ります。あなたが元気でいることが、家族にとっての一番の支えです。
💡 ここがポイント
休むことに罪悪感を持たなくて大丈夫です。ショートステイは、家族介護を続けるための仕組みとして制度に組み込まれています。週末ぐっすり寝る、温泉に行く、友達と食事をする——そんな時間を取るために頼っていい仕組みです。
使い方2 「いざという時」の備えとして
突発的な事態にも、ショートステイは強い味方になります。
- 家族介護者が風邪を引いた、ぎっくり腰で動けない
- 家族介護者が入院することになった
- 冠婚葬祭で家を空けなければいけない
- 仕事で出張が入った
- 子どもの行事や、別の家族のサポートが必要になった
こうした「いつもの介護ができない時」に、ショートステイは家族の安全網になります。
ただし、ここでもうひとつ大事なことがあります。突発的な事態が起きてから、初めてショートステイを使うのは、本人にも家族にも大きな負担になります。だからこそ、いざという時の前に、一度試しておくことを強くおすすめします。
使い方3 突発的な事態が来る前に、一度試しておく
ここが、他ではあまり書かれていない大事なポイントです。
緊急時に初めてショートステイを使うと、本人は知らない場所で混乱しやすく、家族も慌ててしまいます。普段から月1回でも、あるいは半年に1回でもいいので使っておくと、本人にとって「ときどき行く場所」として認識され、いざという時にもスムーズに対応できます。
家族にとっても、いつもお世話になる施設を1つ決めておくと、
- 施設のスタッフと顔見知りになれる
- 本人の様子や好み、注意点を共有できる
- 急な予約も相談しやすい
- 信頼関係ができる
緊急時にすべてが初めてだと、本人も家族もスタッフも、対応に時間がかかります。普段からの関係づくりが、本当の備えになります。
💡 ここがポイント
「使い慣れる」ことは、本人にとっても家族にとっても予行演習です。本人が「あの場所、また行くんだ」と覚えてくれれば、いざという時の不安が大きく減ります。施設のスタッフも本人を覚えてくれるので、ケアの質も上がります。家族介護を始めたら、できるだけ早いタイミングで、一度試してみることをおすすめします。
本人への伝え方が大事
3記事目でもお伝えしましたが、ショートステイで一番大事なのは、本人にきちんと伝えることです。
「来週から3日間、こういう場所に行くよ」「火曜日に迎えに来てくれる人がいるよ」と、事前に伝えておく。可能なら、契約前に見学に一緒に行く。これだけで、本人の心の準備が変わります。
急に知らない場所に連れて行かれると、本人はとても不安になります。「捨てられた」「家族に追い出された」と感じてしまうこともあります。ショートステイは本人にとっても安心できる場所であるべき、という前提を忘れないでください。
💡 ここがポイント
普段お世話になっている病院がショートステイ(医療型)を受け入れている場合もあります。慣れた医師や看護師がいる場所だと、本人もぐっと落ち着いて過ごせます。ケアマネさんやかかりつけ医に「うちの本人が安心できる場所はないですか」と相談してみてください。
ショートステイを使うには
ショートステイの利用は、ケアプランに組み込んでもらうのが基本です。
利用の流れ
- ケアマネジャーに相談:「ショートステイを使いたい」と伝える
- 施設を選ぶ:ケアマネさんから候補を紹介してもらい、見学・体験
- ケアプランに組み込む:月の利用日数・施設をプランに入れてもらう
- 予約:利用したい日が決まったら、施設に予約
人気の施設は予約が取りにくいこともあります。早めに相談して、複数の選択肢を持っておくのがおすすめです。
利用日数のルール
ショートステイには、利用日数のルールがあります。
- 連続で30日まで
- 介護保険上は、要介護認定の有効期間の半分まで(目安として)
30日連続で利用したい場合は、いったん帰宅して1日空ければ、また30日使えます。長期的に施設利用したい場合は、ショートステイの繰り返しよりも、特養などの本格入居を検討する方がいいでしょう。
おわりに
ショートステイの上手な使い方をまとめると、
- 家族の休息(レスパイト)として、定期的に使う
- いざという時の備えとして、頼れるようにしておく
- 突発的な事態が来る前に、一度試しておく
ショートステイは、家族介護を続けるための仕組みです。罪悪感を持たずに頼っていい。むしろ、頼ることで、家族介護がより長く、無理なく続けられます。
「預けるのは申し訳ない」「本人がかわいそう」という気持ちは、家族なら誰もが持つもの。でも、その気持ちのまま無理を続けて、介護をしている家族が倒れてしまったら、本人にも家族にも辛い結果になります。ショートステイは、その辛い結果を防ぐための、社会の仕組みです。
このサイト「ゆる介護」では、ショートステイのほかにも、訪問介護・デイサービス・訪問看護など、家族の介護を支えるサービスを、一つずつご紹介していきます。


