福祉用具って何がある?介護を助ける道具を、利用者目線でまるごと紹介

福祉用具って何がある?介護を助ける道具を、利用者目線でまるごと紹介

家族の介護をしていたころ、福祉用具のカタログをめくる時間は、ちょっとした楽しみでした。「これがあれば、あの動作がラクになるかも」——まるでカタログショッピングのように、暮らしを助ける道具を探す。介護の大変さのなかにも、こういう前向きな時間があったのです。

でも、いざ選ぼうとすると、福祉用具は種類が多くて、最初はどれを選べばいいか迷います。この記事では、利用者側だった私の視点から、介護を助ける福祉用具の全体像を、やさしく整理してお伝えします。まずはどんな道具があるのかを知る、地図がわりに使ってください。

福祉用具とは?暮らしの「できない」を助ける道具

福祉用具とは、介護が必要な方の日常生活を助けたり、機能訓練に使ったりする道具のことです。車いす、介護ベッド、手すり、歩行器——こうした道具を上手に使うことで、本人が自分らしく暮らせるようになり、介護する家族の負担も軽くなります。

介護保険を使うと、こうした福祉用具をレンタル(貸与)または購入できます。介護保険の対象になるのは、レンタルが13品目、購入が9品目。体に直接触れる入浴・排泄関連のものは購入、それ以外の多くはレンタルが基本、という分け方になっています。自己負担は原則1〜3割で、費用を抑えて利用できるのが大きな魅力です。

【移動・移乗】車いす・介護ベッド・移乗の用具

介護のなかでも、体力的にいちばん大変なのが「移動」と「移乗(乗り移り)」です。ここを助ける道具から見ていきましょう。

車いすは、外出や室内の移動を支える基本の道具。自分でこぐタイプ、介助者が押すタイプ、電動タイプなどがあり、体の状態に合わせて選びます。クッションなどの付属品も、快適さを大きく左右します。詳しくは車いすの選び方で紹介しています。

介護ベッド(特殊寝台)は、起き上がりや立ち上がりを助け、介護する側の腰の負担も減らしてくれます。床ずれを防ぐマットや、体の向きを変える体位変換の道具と合わせて使うことも多いです。詳しくは介護ベッドの選び方で紹介しています。

ベッドから車いすへの移乗を助ける道具もあります。移動用リフトや、体を滑らせて移すスライドボードなど。力の弱い方が大きな方を介護する場面で、大きな支えになります。詳しくは移乗を助ける用具で紹介しています。

【歩く・家の中の移動】歩行用具・手すり・スロープ

「自分の足で歩き続けたい」——その願いを支える道具も、たくさんあります。

歩行器・歩行車・つえは、歩行を安定させ、転倒を防ぎます。荷物が積めるタイプや、体を支えて休めるタイプなど、種類も豊富です。詳しくは歩行を助ける用具で紹介しています。

また、手すりやスロープは、家の中の移動や段差の不安を解消してくれます。工事をしなくても置けるタイプもあり、気軽に取り入れられます。詳しくは家の中の移動を助ける用具で紹介しています。

【入浴・排泄】シャワーチェア・ポータブルトイレ

毎日のことだからこそ、負担を減らしたいのが入浴と排泄です。これらの道具は、体に直接触れるため、購入(特定福祉用具販売)が基本になります。

入浴の用具には、浴室で座って体を洗えるシャワーチェアや、浴槽への出入りを助ける手すり・すのこなどがあります。詳しくは入浴の福祉用具で紹介しています。

排泄の用具には、ベッドのそばに置けるポータブルトイレなどがあります。夜間の移動が不安な方に、大きな安心をもたらします。詳しくは排泄の福祉用具で紹介しています。

レンタルか、購入か?利用者目線のヒント

福祉用具を選ぶとき、よく迷うのが「レンタルと購入、どちらがいいか」です。利用者だった立場から、ひとつの考え方をお伝えします。

ポイントは、体の状態が変わっていくものはレンタルが向いている、ということ。介護度が変われば、必要な道具も変わります。レンタルなら、そのときどきの状態に合わせて、無理なく交換できます。車いすや介護ベッドのように高価なものは、特にレンタルの恩恵が大きいです。一方、入浴・排泄の用具のように、衛生面から他人と共有しにくいものは購入向き、と分かれています。

ひとつだけ、正直な注意を。レンタルは手軽で、カタログを見るのが楽しいぶん、つい、あれもこれもと借りすぎてしまうことがあります。わが家でも、「よさそう」と借りたものの、あまり使わなかった道具がありました(笑)。定期的に「これは本当に使っているかな?」と見直すことをおすすめします。

福祉用具は、どうやって選ぶ?借りる?

「たくさんあって、自分で選べるか不安」——そう思っても、大丈夫です。福祉用具を選ぶときは、担当のケアマネジャーや、福祉用具専門相談員に相談できます。体の状態や住まいに合わせて、最適な道具を提案してくれる専門家です。

この福祉用具専門相談員がどんな仕事をしているかは、福祉用具専門相談員とは?暮らしに合う道具を提案するプロで紹介しています。「こんな道具を選んでくれる人がいるんだ」と知っておくと、相談のハードルが下がるはずです。

早わかり:福祉用具の種類と選び方

用具 レンタル/購入 こんなときに
車いす レンタル 外出や室内移動を助けたい
介護ベッド レンタル 起き上がり・立ち上がりがつらい
移乗用具(リフト等) レンタル ベッド⇔車いすの移乗が大変
歩行器・つえ レンタル/購入 歩行を安定させたい
手すり・スロープ レンタル/購入 家の中の段差・移動が不安
入浴用具 購入 入浴を安全・ラクにしたい
排泄用具 購入 トイレの移動が不安

福祉用具は、暮らしの「できない」を「できる」に変えてくれる、心強い味方です。ひとつの道具で、本人の表情が明るくなったり、家族の負担がぐっと減ったりすることもあります。気になる道具があれば、それぞれの記事も、のぞいてみてください。

家族の介護に、新しい続け方を。無理なく続けるための道具選びに、この記事が役立てばうれしいです。

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